イバラカンザシ

和名
イバラカンザシ
学名
Spirobranchus giganteus
科名
カンザシゴカイ科  Serpulidae
目名
ケヤリムシ目  Sabellida
綱名
多毛網  Polychaeta

カンザシゴカイ科はケヤリムシ科と同じように、先端に鰓冠を持ちます。しかし、ケヤリムシ科の棲管は泥や粘液でできているのに対して、カンザシゴカイ科の棲管は必ず石灰質でできています。カンザシゴカイ科の種の多くは鰓冠のそばに、鰓冠を引っ込めた時に、棲管の入口を閉じるためのふたを持っていて、このふたの形態が属や種を決める重要な形質になります。ふたは柄が付いていて、鰓冠を広げた時には管口の横の方へ押しやられます。鰓冠を頭髪に見立てると、ふたはちょうど頭髪に挿したかんざしに見立てて、この仲間をカンザシゴカイと呼びます。イバラカンザシは、かんざしの上面に4本の大きな突起があり、各突起はトゲ状の枝を分岐しているところからこのような名前が付きました。イバラカンザシ属 Spirobranchus とは、「ラセンのエラ」という意味で、この種も属名に違わず、らせん状に巻いた1対の鰓冠を持ちます。また本種の特長としては鰓冠の色彩変異が著しいことと、イシサンゴ骨格中に棲管を埋めることです。

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