広がった口盤の直径が50cmを越える大型種で、串本近海では最も大きくなるイソギンチャクの一つです。沖縄などでみられるハタゴイソギンチャクと同じ属に属します。ハタゴイソギンチャクは口盤の周縁が著しく褶曲しますが、本種は口盤周縁が褶曲せず、口盤は円盤状に広がります。口盤を覆い尽くす触手は非常に短いイボ状です。クマノミが共生するほか、ミツボシクロスズメダイの若魚が共生します。本種の触手は時によって、触っても全く粘着性を示さないかと思えば、別の時には、驚くほどの粘着性を示し、付いた触手が手と共にちぎれてくることもあります。この粘着性は刺胞の発射によるもので、このような現象から、刺胞の発射は神経の支配を受けている可能性が考えられます。