照葉樹林内にごくふつうに見られる暖帯常緑小高木で、大きいものでは高さ10mになる。新枝は淡緑色で無毛、頂芽は細長くかま形に曲がる。葉は互生して小枝の左右に2列に並んでつく。葉は長だ円形で長さ3~8cm、幅1~3cm、革質で厚く先端はわずかにくぼむ。表面は濃緑色で光沢があり、裏面は淡緑色で両面とも無毛。雌雄別株で3月頃、葉腋に鐘形の黄色を帯びた白色花を数個ずつ下向きにつげる。花には独特の臭気がある。果実は直径5mmの球形で10~11月、黒紫色に熟す。東京方面ではヒサカキをサカキとよび、神前に供えるが、紀南地方では仏壇やお墓に供えるのがふつうである。