ミミズバイ | 吉野熊野ネイチャー図鑑

海岸近くから内陸部の低山の照葉樹林に生える常緑高木で、高さ１０～１５ｍになる。樹皮は灰褐色ないし赤褐色でなめらかである。葉は細長いだ円形で長さ８～１５ｃｍ、幅２～４ｃｍ、革質で表面は濃緑色で光沢があり、裏面はやや灰色を帯びる。若枝は緑色ではじめ褐色の毛があるが、すぐに無毛となる。枝を縦に切るとうすい板を並べたような髄が見える。７月頃、新枝と前年枝の葉腋に短い花序を出し、白色の花を多数つける。花柄や花序の柄が短く、また花弁より雄しべが長くて多数あるため、白いブラシのように見える。果実は前年の夏に開花したものが翌年の秋から冬にかけて黒く熟する。果実はいびつな卵形で、ミミズの頭に似ていることから、ミミズバイの名があるといわれる。