カンムリゴカイ科は砂粒を固めた強固な棲管を岩などに造り、その中で暮らします。北日本に産するカンムリゴカイという和名の種は群生し、隣同士の棲管が束になって、全体として蜂の巣状の固いマットを作ります。しかし串本付近にはそのような群生する種はいません。カンムリゴカイ科の種は数種いますが、すべてやや深いところにすみ、浅い海で見られるのはナガオカンムリのみです。ナガオカンムリは潮間帯を含めた浅海の岩上に棲管を造り、頭部の特殊な剛毛列を棲管入口から覗かせています。虫体は非常に細長い尾部を持ち、それが和名の基となっています。