イシサンゴ類は複雑な骨格を作ります。特に枝
が細かく、枝分かれが多いミドリイシの仲間やハ
ナヤサイサンゴの仲間の骨格は枝間に多くの複
雑な空間ができます。そのようなサンゴの枝間を
住み家にする動物が多く見られますが、それらの
うちで代表的なものがサンゴガニの仲間です。串
本海域公園地区およびその周辺には10種ほど
のサンゴガニ類がいますが、串本が分布の世界
の北限になっているのがこのオオアカホシサンゴガニで、甲らに特徴的な赤い斑点があります。サンゴガニ類は
サンゴのすき間を住み家としていますが、一方的に間借りをしているだけではなく、サンゴを害する動物などが
来た場合には、それらを追っ払ってしまいます。あの大きなオニヒトデをも追っ払ったという記録をもっているので
す。体長1㎝ほどの小ガニですが、勇気がある頼もしい奴なのです。