写真の甲らの幅が8 mmほどの小ガニを見てくだ
さい。左右両方のハサミにカニハサミイソギンチャ
クを一個ずつ挟んでいます。このカニはこれで親
で、名前をキンチャクガニといいます。そして、一
生両方のハサミにイソギンチャクを挟んだまま暮
らします。イソギンチャクがはずれないように、ハ
サミの内側には鋭いトゲが上下数本生えていて、
これでイソギンチャクの体をしっかりと挟んでいま
す。このカニが敵に出会うと、左右のハサミをまるでボクサーのように振り回して戦います。カニは自分の挟んで
いるイソギンチャクが刺胞という毒液発射のマイクロカプセルをもっていて、これを敵に向けると武器になることを
知っているのです。
常にイソギンチャクを挟んでいるので、普通のカニのように、左右のハサミを使って餌をちぎって口に運ぶこと
はできません。しかし、イソギンチャクに餌をくっつけて口へ運ぶようです。そして当然イソギンチャクはこカニの
餌のおこぼれにありつくはずです。両者が得をする相利共生と思われます。