群体の一部が薄く壁のように立ち上がり、この壁が曲がりくねって複雑な形を作っ
ています。生きているときの色は灰褐色ですが、骨格標本を作るために漂白すると、
純白の「バラ」の花のような美しい標本ができあがります。昔は串本地方でもおみや
げ用としてサンゴを漂白したものが売られていましたが、このウミバラが最も高価で
取り引きされたそうです。串本海中公園の水族館では40年近くウミバラが飼育され
ていますが、光の少ない水槽の中では平たく葉状に形を変えました。そこで水槽の照
明を強くしたところ、また元の形に戻ってきました。光への依存度の強い造礁サンゴは
光の強弱で形を変えるものが多く見られます。