コノハガニ

コノハガニの写真

小さな生き物たちは強力な武器を持たないため、色々な工夫をして身を守っています。刺胞動物であるイソギンチャクやサンゴには非常に多くの小さな生き物たちが共生していますが、これも、付いている刺胞動物の刺胞の毒が自分たちを敵の攻撃から守ってくれるからです。その他の身の守り方の一つは自分より大きな動物(ホストと呼ぶ)に付くのに、ホストに姿形を似せて、自分の存在を分からなくする方法が非常に多く用いられます。しかしホストとなるのは必ずしも動物とは限りません。この写真のコノハガニのように海藻にそっくりになって敵の目を欺くものもいます。コノハガニはサボテングサという石灰分を含んだ緑藻にそっくりな形をしていて、サンゴ礁海域ではサボテングサに付いています。そして、目の前で「これがカニですよ」と指さされても分からないくらいによく似ています。ところが、串本周辺にはコノハガニが付くはずのサボテングサは非常にまれにしか分布していません。そこでコノハガニは自分の色彩によく似た、しかも形もやや似ているヘライワヅタという緑藻の中に隠れて暮らしています。

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