海域公園地区を含む串本の浅い海には色々な生物がいます。その中には我々にとって危険な生きものもいます。しかし、基本的には一方的に我々を襲ってくる生物はほとんどいないと言っていいでしょう。私たちがむやみに手出ししたときに、被害に合う場合がほとんどです。ですから、相手の事をよく知って、どの生きものが、どのように危険かを知っておくことが大事なのです。
※下線をつけた生きものは海以外に生息するもの。
※上記3、4、5の種を除く
和歌山県では食中毒以外の海の生き物からの被害実態はほとんど把握されていません。そこで、実態がよく把握されている沖縄県での例を示します。
分類 | 被害人数(割合) | 死亡例(原因生物) |
---|---|---|
合計336人 | 合計22人 | |
刺胞動物(クラゲ、イソギンチャク、サンゴ類) | 185人(55.1%) | 1人(ハブクラゲ) |
脊椎動物(魚、ウミヘビ類) | 120人(35.7%) | 8人(ウミヘビ類) 1人(オコゼ類) 1人(サメ類) |
軟体動物(巻貝、タコ類) | 23人 (6.8%) | 4人(アンボイナガイ) |
環形動物(ウミケムシ類) | 2人 (0.6%) | – |
棘皮動物(ウニ、ヒトデ) | 2人 (0.6%) | – |
不明 | 4人(1.2%) | – |
和歌山県では沖縄県のように重大な被害を与える危険生物は少なく、重大な被害の報告はほとんどみられません。しかし、串本町沿岸のような紀南地方では黒潮の影響を強く受けるため熱帯性の生きものであるエラブウミヘビ、アンボイナガイ、ヒョウモンダコ、オニダルマオコゼ、ダツ類など沖縄県で重大な被害を与える生きものも時々見ることができ、万一に備えて注意する必要があります。また、人命に重大な危害を与えない生きものであっても、ダイビング中に被害に合えば精神的な動揺から重大な事故につながる可能性も否定できません。
※太字は平成24年4月に新たに追加した生物