造礁サンゴには茶褐色のものが多く見られます。これはサンゴの体の中に直径10
ミクロンほどの小さな褐虫藻が共生しており、この褐虫藻の色がサンゴの色となってい
ることが多いからです。高水温や低水温など、サンゴにとって悪い状態になると褐虫藻
は体外放出され、サンゴが白くなることもあります。褐虫藻は太陽の光で光合成を行い
サンゴに酸素と栄養を与え骨格の形成にも重要な役割をはたしています。こうして造礁
サンゴは巨大なサンゴを作りあげているのです。ヤスリサンゴは茶褐色の塊状群体で
表面の模様も細かく遠くから見ると岩と見違えるほどの地味なサンゴです。串本町高富
の海岸では直径4mに達する巨大な群体があり、魚たちの絶好の住みかになっています。