サンゴのポリプは1 mmほどで非常に小さいのですが、群体は塊状に生育し時に
は4mを越すものもあります。すさみ町江須崎の近くでも直径4mの巨大な群体が
確認されています。この群体の基部は穴やくぼみがあって複雑な形をしているた
め、イセエビや魚たちの絶好の住みかになっています。このサンゴが発見された
時、地元の漁師さんたちは普通の岩だと思っていたそうです。コブハマサンゴの成
長は遅いので、こんなに大きくなるのに数百年はかかったと思われます。九州以北
のサンゴ生息域は入り江や湾内に多く見られるという特徴があります。このような
場所にはコブハマサンゴのほか、オオスリバチサンゴ、シコロサンゴ、ムカシサンゴ
など1mを越す巨大群体が生息しています。近年このような場所は港湾工事や水質
汚染の影響を受けやすく、巨大サンゴが次々と岩と化しています。