クマノミとアジサイイソギンチャクの共生

クマノミとアジサイイソギンチャクの共生の写真

イソギンチャクは普通、触手に無数にある刺胞

と呼ばれる毒液発射用のマイクロカプセルの毒

で、魚などを刺してしびれさせて餌にします。とこ

ろがクマノミ類だけはこのイソギンチャクと共生を

するのです。そしてこのことは長い間、非常に不

思議な謎でした。ところが最近になって、クマノミ

類の体表を覆う粘液の化学組成がイソギンチャク

類の粘液の化学組成に似ていることが分かりました。すなわちイソギンチャクはクマノミを餌とは認識できないのです。それでクマノミはイソギンチャクと共生でき、
恐ろしい食肉魚から身を守ることができるのです。日本近海には6種のクマノミ類がいますが、串本地方にはクマ
ノミという和名の種が1種いるだけです。 一方、串本のクマノミが付くイソギンチャクには数種があり、一番多
いのはオオサンゴイソギンチャクとサンゴイソギンチャクの2種のようです。その他にはイボハタゴイソギンチャ
クという大型の種にも共生します。
クマノミは自分のイソギンチャクのまわりになわばりをもっていて、イソギンチャクの触手などを食いちぎって
食べる魚などのイソギンチャクの敵を追っ払います。また、クマノミは大きな餌を見つけた場合は、それを口に
くわえて運び、イソギンチャクの触手の間にストックします。その一部はイソギンチャクの餌になるものと思われ
ます。写真のクマノミはまだ小さな子供です。
クマノミはイソギンチャクに身を守ってもらい、イソギンチャクは敵を追っ払ってもらったり、餌の一部をもらった
りして、両者の関係は相利共生と考えられています。

月別投稿

ページトップに戻る