アンボイナガイの属するイモガイ類は矢舌という毒針を用いて餌となる小動物の狩りをします。アンボイナガイの毒は非常に強力で、日本でも沖縄県などで死亡例があります。
アンボイナガイは夜行性で、魚類を捕えて食べています。通常のダイビングやスノーケリングでこの貝を見ることはほとんどありませんが、死亡例では貝を捕まえて手に持っているときに刺されていることが多いので、見つけても触らないことが肝心です。
さて、日本には100種以上のイモガイ類の生息が知られています。イモガイ類の食性は、魚類を食べるもの、巻貝類を食べるもの、ゴカイ類を食べるものの3グループに分けられます。魚類を捕食するイモガイ類の毒は魚類だけでなく人にも効きやすいので、アンボイナガイ以外にも魚食性のシロアンボイナやベッコウイモガイなどは注意が必要です。貝食性のタガヤサンミナシも毒が強いので注意が必要です。刺されると激しい痛みがあり、毒によって手足がしびれるなどの症状が現れ、嘔吐やめまい、そしてひどい場合には目のかすみ、運動失調、呼吸麻痺により死亡することもあります。
刺されたところが分かっている場合は、刺された部位を切開して毒を吸い出します。その後、刺された部位と心臓の間で圧迫し、毒が全身に広がらないようにします。安静にさせて病院などに運びます。